48. 親友

「ちょっとジャスミン、ちゃんと聞いてよ!」
「聞いてるわよウメコ。でもね、あの場合は仕方なく…」
「仕方なくなんかないってば!」
「ウメコさん、落ち着いて下さいよぉ」
ウメコの怒声とテツの弱り切った声に、ホージーは首を傾げながらデカルームへ入ってきた。扉の前でウメコとジャスミンが対峙し、その周りでテツが右往左往している。
「どうした、ウメコ」
「あ、ホージーさん聞いてよぉ。さっき私とジャスミンとテツが出動してアリエナイザーを捕まえたんだけど、 ジャスミンってば私の攻撃が当たりやすいようにってわざと囮になったのよ!」
「まぁ、結果的にそれでちゃんと捕まえられたんですけどね…」
そう言ったテツの背中を、ウメコがバシッと叩く。いってー!と声を上げて悶絶するテツを後目に、ウメコがジャスミンを睨む。
「私になんの相談もなしでいきなりあんなことして、もしジャスミンに当たっちゃったらどうするの!?」
「ウメコなら大丈夫って思ったから背中を任せたんじゃないの。それに、ウメコが妥当に打倒できたわけだし?」
「もぉー!そういうことじゃないってばぁ!」
じたばたと地団駄を踏むウメコと、けろっとした顔をしているジャスミンの間にホージーが割って入る。
「ストップストップ。ウメコは落ち着け。でも、ウメコの言い分にも一理あるぞジャスミン。作戦を遂行するときは、常にみんなとの連携が大事なのはお前も分かってるだろ」
「そうですね。あの場合、ウメコさんに一言、先に話しておいても良かったと思いますよ」
2人に諭されて、ジャスミンはしばし考えてからため息をつく。
「…そうね。確かに、ちょっとやりかたが無茶だったかも。それは認めるわ」
「無茶が許されるのは、バンと怒ったときのセンさんだけなんだからね!」
「おい、それもどうかと思うぞウメコ…」
「センさんは、ある意味先輩より突拍子ないですからね」
ホージーとテツは苦笑したが、ウメコは下を向いて声を震わせる。
「もしジャスミンになにかあったら、私、私…」
泣きそうになっているウメコを見て、ジャスミンが慌ててウメコの頭をなでる。
「ああウメコぉ、メンゴメンゴ。私が悪かったわ。今度からはちゃんと、なにかする前には言うからね?」
「ジャスミーン…約束だからねっ!」
両手をとりあって仲直りをする2人を見て、ホージーとテツは笑いながら顔を見合わせる。
「ビューティフル・フレンドシップ、だな?」
「仲直りしてくれてよかったですよぉ。あのままじゃ俺の身が持ちませんし…。それにしても、今のジャスミンさんとウメコさん、 まるで先輩とホージーさんのやりとりを見てるみたいでしたよ。やっぱりみなさん、喧嘩するほど仲がいいってやつなんですね!」
「変なまとめかたするなテツ。俺は別にバンと仲良くなんか…って、なんでニヤついてるんだジャスミン。ウメコもだ!」
「照れなくてもわかってるよぉホージーさん。ね、ジャスミン?」
「そうそう。ふれんどしっぷはびゅーてぃふるよ?」
げんなりした表情でホージーは首を振った。
「…2人とも、もう少し喧嘩したままでもいいぞ」

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