甘党 「ウメコって、お菓子とかほんっと好きだよなー」 「そうね。私も甘いものは好きだけど、ウメコには敵わないわ」 「こないだなんか、ドーナツ食べながらココア飲んで、そのあとシュークリーム食べてたもんなぁ」 「それは甘党の前に大食漢とも申しますな」 バンとジャスミンの会話を聞いていたセンが、書類から目を上げずに口を挟む。 「俺、ウメコと同じくらい甘党な人知ってるよ」 「え、だれだれ?」 「もしかして…」 3人が一斉に、ボスと話している人物を見る。その視線に気付いた彼が振り返った。 「なんだ?」 「なんでもないよ、ホージー」 センは笑顔でひらひらと手を振る。そして笑顔のまま、バンとジャスミンにだけ聞こえるくらいの声で呟いた。 「前に間違ってホージーのコーヒー飲んじゃったことがあるんだけど、その日一日、胸焼けが治んなかったからねぇ」 「へえぇー、超意外っ」 バンが目を丸くしてジャスミンと顔を見合わせる。 「驚き桃の木山椒の木、ね」 「ほら、脳を酷使する人は甘いもの必要なんじゃない?」 センの指摘に、ジャスミンがうんうん、とうなずく。 「彼、最近ますます苦労してるものね…」 「なに?なんでこっち見るんだよジャスミン」 「ホージーが糖尿病になったらバンのせいだよ?」 「だからなんで?!」
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